『破戒:島崎藤村』、この小説を読むきっかけとなったのは、日本が世界経済の中で没落しようとしている今、とくに政治のふがいなさというか停滞感が強く感じられ、さらに裏社会がそこに垣間見えるからだ。
日本の裏社会の主人公は在日朝鮮人、これは疑う事の無い事実。
そしてそこに被差別部落出身者という人々が加わる、これも事実。
私は裏社会の人々が悪だと言いたいのではない。
なぜこのような裏社会を形成する人々が世の中に誕生したのかという事が知りたいのだ。
この小説は明治時代における被差別部落出身者の主人公の苦悩を描いている。
私が知りたかったのは明治という時代とこの問題の根本的原因や背景だ。
結論から言うとこの小説からはそういった歴史上の背景を読み取る事は出来なかった。
しかし、明治と平成という100年以上の時を経ても、日本の根本的風景は何ら変わっていないのだという事を知った。
明治の人々の日常になんら違和感を感じない。
この小説をきっかけに少し調べてみたところ被差別部落の歴史上の起点であるとおもわれる事項を記載したサイトを発見した。
:被差別部落と九州王朝
以下抜粋、
これら「南九州」への「征伐」という「戦闘行為」が終わったその後、彼ら南九州の人たちに待っていたのは、「守墓人」への道だったのです。
「新日本国王権」側が特に恐れたことは「反乱」を起こされることでした。「新日本国王朝」に対して反旗を翻す勢力が追随するような事態が発生することを極度に恐れたのです。
彼らは「七〇一年」に制度が変更になった後も、それに従わず使者やその地域の長官などの受け入れを拒み「自治」を行っていました。このようなことが「律令制政治」を進めていく上で許されるはずがありません。「新日本国王権」の姿勢は「律令」を貫徹させることを目的としていましたから、それに従わない、それを受け入れないなどと言うことを決して許さなかったのです。ですから、執拗に抵抗してきた彼らを「服従」させるのが困難である、と知った時、決して反乱など起こさせないように、「未来永劫」「守墓人」として「奴婢」のさらに下に置いたのです。
当然この地位は世襲でした。反乱分子の子供も反乱分子なのですから、一族みな「未来永劫」守墓人とされたのです。
考えてみれば、どんなことをしたら時の政府から「未来永劫」「子々孫々」守墓人にされることになるのでしょうか。それは「国家反逆」の罪ぐらいしかないのではないかと思わせます。
意外な事実。
なるほど、これは仮説に過ぎないがこれほどまでに古代の起源を我々は意識しない。
だから余計にその風習は廃れなかったのだ。
しかしそうやって積み重なった怨念はそう簡単に取り去る事は出来ない。
何千年という時を経て形成されたものが一夜にして解消するなんて事は無い。
そういった観点で社会、さらには国際社会を見なければならない。
そして一度この呪縛にとらわれてしまったら、逃れようとするよりもそれに従って行動した方が何事も旨く行く、だから更に逃れられなくなって行く。
これでなんとなく謎が解けた。
これほどまでに根強く被差別部落問題が社会に横たわっている理由が。
しかし、ここで一つ言いたい事は「 裏社会もまた職業の一つ 」だと言う事。様々ないきさつで結局それは職業・特権として培われてきたのだ。
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