:2012/01/21 初投稿
:2012/04/18 追加
:2012/04/19 追加
:2012/06/22 追加
関連記事:東京電力はどうなる?倒産するのか? (2011/03/31)
原発廃炉のコストは莫大、それが怖くて出来ないのではないか(2012/6/22追加分)
:原発がどんなものか知ってほしい
上記は原発の建設に関わった一人の技師の告発文である。
その中で原発の廃炉に関しての記述が有る、以下抜粋。
具体的な廃炉・解体や廃棄物のことなど考えないままに動かし始めた原発ですが、厚い鉄でできた原子炉も大量の放射能をあびるとボロボロになるんです。だから、最初、耐用年数は十年だと言っていて、十年で廃炉、解体する予定でいました。しかし、一九八一年に十年たった東京電力の福島原発の一号機で、当初考えていたような廃炉・解体が全然出来ないことが分かりました。このことは国会でも原子炉は核反応に耐えられないと、問題になりました。
この時、私も加わってこの原子炉の廃炉、解体についてどうするか、毎日のように、ああでもない、こうでもないと検討をしたのですが、放射能だらけの原発を無理やりに廃炉、解体しようとしても、造るときの何倍ものお金がかかることや、どうしても大量の被曝が避けられないことなど、どうしようもないことが分かったのです。原子炉のすぐ下の方では、決められた線量を守ろうとすると、たった十数秒くらいしかいられないんですから。
原発建設にかかった費用は約13兆円である。
:原発建設費13兆円/ゼネコン大もうけの裏側/東電元幹部「ゼネコンに“裏”仕事」/見返りは受注独占(しんぶん赤旗・日曜版)
上記の何倍もコストがかかる廃炉に電力会社も国も踏み切れないというのが現実問題だろう。
しかも、その後は放射性廃棄物の処理コストが更に莫大にかかる。
:ドイツの原発廃炉の除染に15年かけて4500億はコストに含まれず
以下抜粋、
廃炉作業は1995年に始まった。
除染作業は現在も続いており、これまでにかかったコストは約41億ユーロ(約4500億円)に上る。これには解体作業のコストは含まれていない。フィリップス氏は「解体する資金はないんです」と説明する。
上記は旧東ドイツに有った原子力発電所5基の廃炉に関しての記事だ。
以下は原発廃止後のルブミンの今を語る動画へのリンク。
:原子力発電所が廃止された時、原発に依存していた町はどうなるのか?そして原発跡地はどうなるのか?
:<原子力発電所の廃炉コスト>
廃炉費用について上記記事と映像を合わせて考えてみると、1基あたり3000億円以上はかかりそうだ。
しかしそれは除染・解体(しかも完全ではない)費用だけでありその後の高濃度汚染物質の保管にかんしては別費用だ。
日本が脱原発を進めて行くにあたってこのルブミンのケースはかなり参考になるはずだ。
省エネの効果(2012/04/19追加分)
:家庭部門の電力需要構成(ピーク時)

:家庭部門の電力需要構成(非在宅ピーク時)

:オフィスの電力需要構成(ピーク時)

:北海道電力の電力需要構成

家庭部門で見れば「エアコンと冷蔵庫」が消費電力の60%前後を占める。
オフィスではエアコンに続き照明が24%を占める。
全体的に見れば(北海道電力の場合)、電灯が32%を占めている。
:材料コスト40分の1の新型LED開発に成功、シリコン製で明るさ3倍 - 東大の大津教授と川添研究員ら
従来のLEDは蛍光灯と同じ明るさを得ようと思うと結局消費電力に大差はなかった。
※参照もと:LED蛍光灯が低消費電なんて大嘘。
しかし、上記新型LEDならば完全に蛍光灯の性能を上回ると思われ完全なる省エネ効果が見込める。
エアコン、冷蔵庫もトップランナー方式という省エネ制度の影響で1999年を境にして消費電力が抑制され、10年前の機種と比べると約半分の消費電力になっているらしい。
※参照もと:買い替え時に最も省エネ型のエアコンを選びましょう
電力会社の構造改革には時間がかかり過ぎ効果も不明だから、電力不足問題は省エネで進めるのがベストだと思われる。
電力自由化、発送電分離などの問題(2012/04/18追加分)
電力自由化の最大の課題、発送電分離。
これによって生まれる送電会社の運営方法をどうするのかが最大の焦点。
:電力自由化ー諸外国の事情
を見る限り様々な問題が見えてくる。
1:妥当な送電コストをどうやって決めるか
2:送電会社にイニシアティブを握られないか
3:あまり法律で規制しすぎると運営会社の設備更新の意欲がそがれる
次に発電会社の過当競争によるサービスの低下。
アメリカ等では大規模停電が相次ぎ自由化の流れから逆行したという経緯が有る。
ドイツではより一層の寡占化が進んだ。
日本では東電をどうするかが最大の問題。
以下のような話が有る。
:東京からはじめよう「東京と大阪の連携で日本を変える」橋下徹
この中で、
東電の老朽化した(30~40年経過している)火力発電設備が1500万KW分もある。これを官民ファンドなどで買い取り新電力会社を作る。
という話が出てくる。
居抜きで設備を買い取り最小限の設備投資で新システムを稼働させるのが目的。
いずれにしても、自由化はそんなに簡単な問題ではない事は諸外国の状況からして明らかだ。
総括原価方式という電力料金決定メカニズム(2012/01/21投稿分)
東電の原発事故による電気料金値上げ問題が騒がれています。
その根本的原因である「 総括原価方式 」、これについて考えてみたいと思います。
そもそも日本は自国産のエネルギー資源をほとんど持っていません。
なので、輸入原料の価格変動の脅威に常にさらされています。
そういう理由から国は原発を推進している訳です。
そして、総括原価方式を採用している第一の理由は「 電力の安定供給 」でしょう。
電力会社の経営が不安定だとあらゆる産業に影響を及ぼします。
いきなり電気がストップされるような事態が発生しないためには電力会社の安定経営は必須でしょう。
総括原価方式というのを簡単に説明すると、「 かかった原価に一定の利益をのせて販売できる方式 」。
つまり、絶対に損をしない方式なのです。
これだと電力会社が経営破綻する事は事実上無い訳です。
ただ、この方式だとかかった原価が大きいほど利益が大きくなるので、電力会社はなるべく原価をかけようとする意志が働きます。
あまりにあからさまだと問題が出るので原子力発電という「 エネルギー資源の少ない日本の宿命 」のような構図を打ち出して、堂々と大きな原価をかける事ができるようにしたとも考えられます。
ただ、今回の震災が発生しなければこの事もなんら問題視されることはなかったでしょう。
なので、もう一度冷静にすべてを判断する必要が有ると思います。
日本の電気料金は高いのか?
:電力料金の国際比較
詳しくは調べていませんが、国際的な電気料金の差の最大要因は、「 エネルギー構成差 」。
つまり、発電原料が何に依存しているのかの差だと。
アメリカは豊富な自国産石炭による火力発電をおもな発電設備としているため電気料金が安い。
フランスは原発の比率が著しく高い(約80%)ため電力が安い(安定している)。
日本の場合、輸入原料の高騰に左右される、なので原発依存度を高めているが約40%。
なので、いまの電気料金はそんなにべらぼうに高いとは思えないというのが個人的感想です。
もし原発依存度が低いとイタリアのようになるかもしれません。
詳しくはわかりませんが、脱原発&電力会社の既得権剥奪(総括原価方式の見直し)をただ唱えるだけでは日本のエネルギー事情が改善する事は無いというのが現実でしょう。
つまり、原発事故の問題と日本のエネルギー戦略は別問題だという事です。
日本のエネルギー基本戦略は?
あくまでも個人的見解です。
1:脱原発
なぜなら、フランスと違って「 地震多発地帯&国土が狭い 」という理由から、
:耐震構造による高コスト化(フランス等と比較して)
:安全保障上の問題(戦争時の攻撃対象として最高、破壊されれば都市部へ多大な影響)
2:天然ガスの構成を高める
:国際的に天然ガス価格が暴落中(シェールガス革命)日本は国際的に最も割高な価格で現在輸入している体制を早期改善する必要が有る(参考リンク:天然ガス価格が下がっているね)
:ロシアと領土問題を絡めた戦略的提携が可能(ロシアの北方油田地帯と領土問題を絡めて共同開発、ノンボーダー地域開発)
3:自然エネルギー
地熱発電(火山活動が活発な日本で何故開発が進んでいないのか?)
洋上発電(日本は世界でも有数の海洋国家、広大な海上領有権を持つ)
メタンハイドレード、藻類からの油分抽出技術の開発推進(すでに実用化のめどは立っている)
4:地域独占をやめる
最低2事業者以上の発電事業者が電力供給できるようにし、ユーザーに選択権を与える。
談合を防止する機構を設ける。
まずは、東電の設備を2分割し分社化する。
原発はまとめて別会社とし、適時縮小廃止。
中東依存度を低くし、ロシアとのガス田共同開発を推進しながら自然エネルギーの構成比を高めていく。
これしかないと個人的には思う。
しかしこういった問題の根本には必ずビジネスでの裏付けが必要だ。
誰も儲からない事はしない!
【送料無料】1日1分レッスン! TOEIC test(パワーアップ編)
投資の世界観を養う本:冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行 (日経ビジネス人文庫)